2009年12月22日火曜日

カルテチェック12/21

今日は朝は1件臨時往診があり、その後は雪のため前半落ち着いていました。しかし救急車2台、臨時入院など後半はあわただしい一日でした。


12/21
90代男性 定期訪問診療 膝偽痛風 「すねぼんさん」という方言の意味
90歳女性 定期訪問診療 気管支炎 急性期対応時のカルテ記載のあり方とカルテ整理の方法

0歳9ヶ月児 座位が遅い 他の粗大運動、巧緻運動のチェックと今後のfollow間隔
90台女性 定期訪問診療 全身のかゆみ、パーキンソニズムと内服薬剤の関係の有無 
60台男性 定期訪問診療 圧迫骨折 入院対応
50代男性 ネコ咬傷 パスツレラ(Pasteurella multocida)感染症についてと治療方針

2009年12月21日月曜日

カルテチェック12/18(2)

12/18のカルテチェック2人目です。
「何を教えるか」と「どう教えるか」はまた違うものと思いますが、
とりあえず「何を教えているか」については見ていただけるのではないかと思います。


1歳 RSウイルス罹患後咳そう 抗LTの有用性

50代男性 BPPV、脂質異常症、左側腹部痛 家族背景の確認 筋骨格系由来と神経由来の痛みの病歴の違い

10代男性 副鼻腔炎の頭痛S/O、偏頭痛既往、CT希望 受診動機・より深い解釈モデル

30代男性 体部白癬or接触性皮膚炎 体部白癬の皮疹の特徴と自然経過

0歳 RSV疑い、中耳炎合併後 軽快 症状の重篤度に応じたRSV疑い0歳児のfollow間隔

1歳 発熱 ワクチン接種後1日 次回のワクチンの適応と発熱対策


70代女性 定期訪問診療 食欲不振 薬剤性疑い 鑑別の難しい場合の対応と、医師自身の不安との付き合い

80代女性 定期訪問診療 三叉神経領域帯状疱疹、認知症 薬の飲み忘れ ケアマネとの関わり方 

90代女性(夫婦) 定期訪問診療 貧血進行 便潜血陽性 検査を希望しない場合の上手な対症療法の方法

90代男性(夫婦) 定期訪問診療 食思不振、尿量低下 完全房室ブロック、ペースメーカー埋め込み直後
  
90代女性 定期訪問診療 PMR、心不全、気管支肺炎 プレドニンの漸減方法、メチルプレドニゾロンとプレドニンの換算

90代女性 定期訪問診療 鉄欠乏性貧血 甲状腺機能低下症 家族全員の予防接種状況の確認

90代女性 定期訪問診療 Af、心不全、気管支炎、脱水、HOT 抗生剤起因性のPT-INR上昇とその調節

2009年12月20日日曜日

カルテチェック12/18(1)

12/18の研修医2人のカルテチェックと議論の一部です。
本当に意味深い経験をしているなあと感じます。
1人ずつ書き出してみます。


20代男性 仙骨部褥瘡など 専門医定期受診中の自分達の役割について

60代男性 アレルギー性鼻炎 予防接種介入

67代男性 脂漏性湿疹→糖尿病初指摘 糖尿病の初回評価と今後の本人の継続受診の動機付け

80代男性 高血圧 コントロール目標と薬剤選択

20代女性 臨時往診 急性胃腸炎、R/O尿路感染症 本人の支払い金額から見た診療コスト

60代男性 徘徊、1週間後に精神科受診予定 緊急性の評価と対応の選択肢~周囲資源の有効利用について 

70代男性 定期訪問診療 アルコール問題と周辺症状 本人の怒りをどうコントロールするか

40代男性 急性上気道炎 受診動機とヘルスエキスパートの存在の可能性

1歳男児 喘息様気管支炎 今後の定期管理方法

50代男性 鼻出血 高血圧初診 本人の治療動機と継続診療へ向けての動機付け

50代男性 再発性腰痛症 産業医的な視点からの予防的介入

2009年12月18日金曜日

カルテチェック12/16

3歳女児 皮脂欠乏性湿疹 
環境要因の同定、家族内ストレス 新型フル予防接種お勧め

1歳男児 蕁麻疹 
蕁麻疹の原因が分かる割合 新型フル予防接種の市町村対応の違いと金額

4歳女児 RSウイルス疑い 
RSウイルス感染症の自然経過と、自然経過と異なるときに考えること

36歳男性 URI、禁煙関心あり 
行動変容の全体像と、関心期への関わり方

12歳男性 URI 
予防的介入 MR、DTチェック

再開

長らく、ご無沙汰しております。
吉本尚です。

色々な動機付けをもらい、また再開していこうと思っております。
どうぞご支援よろしくお願いいたします。

2009年11月18日水曜日

カルテチェックの話題11/17

この他の話題もありましたが、記憶に残っているものの一部だけを箇条書きにして雰囲気だけでも共有。
詳細を書き出すと続かないので、これだけで勘弁ください。

・全般性不安障害とその管理

・在宅terminal患者をチームで、特に複数の医者体制で関わる時のコツ

・ジベルバラ色粃糠疹とGianotti-Crosti syndrome

・検査しないインフルエンザ診断と、患児・家族の期待

・何のために検査をするのか

・アリセプトの使い方



ついでに外来プリセプティングでの話題

・腓骨骨折疑いのレントゲンの読みと、その後のmanagement

・新型インフルエンザの予約体制と、優先順位の適応について

・タミフルとリレンザの使い分け


家庭医療後期研修医2年目までは、基本的に毎日全例チェック。
カルテチェックでは全ての答えを自分が持っているわけではありません。わからないこともあるけれど、日々様々な訴えに取り組み、お互いに学んでいく姿勢が大事なのだと最近は感じています。

2009年11月17日火曜日

英国版ベストティーチャーNTFS

ファカルティ・ディベロッパー日記
http://blog.livedoor.jp/sandy_sandy/archives/51546975.html
から参照。


英国の、全国版のベスト・ティーチャ―賞とでもいうべき制度
National Teaching Fellowship Scheme(NTFS)
http://www.heacademy.ac.uk/ourwork/supportingindividuals/ntfs

2010年NTFSガイドラインより、選定にあたっての基準
http://www.heacademy.ac.uk/assets/York/documents/ourwork/ntfs/individual/NTFS_Individual_2010_Awards_Guidelines.doc



・Individual excellence in teaching: evidence of promoting and enhancing the student learning experience

・Raising the profiles of excellence: evidence of supporting colleagues and influencing support for student learning in (and, if appropriate, beyond) the nominee's institution, through demonstrating impact and engagement beyond the nominee's immediate academic or professional role

・Developing execellence: the nominee's commitment to her/his ongoing professional development with regard to teaching and learning and/or learning support.


このような枠組みがあると、自分のティーチングポートフォリオを作る際にも参考になります。

この家庭医の業界は優れた教育者が多く、その方々の後姿を見ているだけでも非常に勉強になりますが、若手である利点を生かして、がむしゃらに後を追っかけていくのも楽しいものです。

2009年11月7日土曜日

私の教育とは(1)

自分の中の教育理念を作っていくために、自分の教育に関する考え方を記載してみます。
まだまだ理念的には弱いですが、記載することで少しずつレベルを上げていこうと思います。


自分の教育の現在の理念は、

1、「枠組みを広げる」
2、「動機づけを行う」
3、「熟達化プロセスに関わる」

現在の理念は上記3つ。

気づきを与えること。
動機付けること。
熟達を支援すること。


これらをどう行っていくか。
家庭医を育成するにあたってどう落とし込んでいくかは、現在模索中です。認知学習論の本を読んでいます。


試行錯誤の日々。だから面白い。

2009年11月3日火曜日

プロジェクトワーク評価表

後期研修医の依頼を受けて、プロジェクトワークの評価表を作ってみました。
プロジェクトワークとは何か、というような知識ではなく、体験から何を学ぶか、という振り返りのためのチェックリストになっています。


とりあえずプロジェクトを体験することで、あとで知識が入った時に関連付けがおきるので、より知識が自分のものになるのではないかと考えています。



プロジェクト企画・運営・評価など 振り返りシート     
名前          期間        

実施前評価
<プロジェクト名>
できればシンプルに、わかりやすく


<プロジェクトの動機付け>
どうしてこのプロジェクトをはじめようと思ったのか?


<プロジェクトのゴール>
現状と、未来のギャップ評価 
達成したらどのような状況になっている予定か?


<プロジェクトの進行方法>
どのように進めていくことを計画したか?


実施中評価
<プロジェクトの進行方法>
実際に実施したのはどんな進め方か?
計画から修正した部分は何か?
工夫した点、うまく言った点は何か?
立ちはだかった困難は何か?それにどう対応したか?


終了後評価
<プロジェクト全体の評価>
全体を通しての評価、感想


<次回への展望>
この経験を元に次回行ってみたいプロジェクトは?
反省を生かして次回どうするか?



プロジェクトワークの振り返りシートを作っていると、ポートフォリオの作成の勉強になります。またこういったシートを用いてプロジェクトを行っていくと、走り始める前に考えるという研究の進め方の学習も同時にできるように感じています。進行しながら修正していくあたりは質的研究に近いのでしょうか?

2009年10月28日水曜日

カルテチェックの方略

先日、「第22回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」の打ち合わせに行ってきました。その様子はまた後日。

その夜に、同期のK先生と話し合い。カルテチェックの方法論について話が及びました。

私の中でもまとめたいと思っていたので、話をしているうちにまとまってきた原案を書きとめておきたいと思います。


<吉本流 カルテチェックの方法論 案 H21.10.28>
step0
患者さんの安全は守られているかについて

step1
今回の患者さんの持ってきた一番の問題の扱いについて
ここで問題を扱うために必要性があれば、step2-5に話が及んでもよい

step2
予防医学的な介入など「ちょい介入」について

step3
患者さんの解釈モデル、受診理由、同意形成のプロセスなど個人に対する家庭医療の実践について
「何が心配そうだった?」「何でここに来たの?」「首かしげサインは出てた?」

step4
患者さんの背景因子・家族、地域の文化など、家族・地域に対する家庭医療の実践について
「この患者さんの家族って知ってる?」「この地域的にはどう?」

step5
すべてを統合した、より高度なディスカッション
(最近では「個人のニーズと地域ニーズ、日本の行政が求めている事をどう解釈し、適応するか」など)


これらは複雑に絡み合っていて、一つ一つをばらばらには出来ませんが、「今日は時間が限られているからstep1だけやろうか」などと使えればいいかなと思っています。


ちなみに言葉の説明ですが、「ちょい介入」は奈義の振り返りで出てきた造語で、「受診ついでにちょっと介入してみよう」という意味が込められています。インフルエンザワクチン接種の受診などの時に、「ちょい介入は何かした?」などと使っています。

「首かしげサイン」は、非言語的コミュニケーションに名前をつけているものの1つで、納得していない時に首をかしげる状態を指しています。これが患者さんに出ていないかどうか、出ていたらどう対応するかを意識して診療しています。

とりあえずの案なので完成版ではありませんが、まずは使ってみようと思います。

若手家庭医部会の会議にて

本日はスカイプ会議。
全国に散らばる若手家庭医と、1時間ほど議論。


家庭医を目指す若手医師らにはたらきかける3つのビジョン
 ◆学びや研修をサポートする
 ◆日常的な悩みを解消
 ◆家庭医としてのやりがいを共有する
これら3つを通して若手医師らの心のよりどころになることを目指します!


この2008-2010年度執行部の最初のビジョンに立ち返って、自分たちはどれくらい達成したのか、これから何を達成していく必要があるのかを会議中に考えていました。
具体的な個別目標を何にするのか各自で創造して考えられるのが、一般目標をあいまいにする利点ですね。


この間うちの診療所の勉強会の中でも行いましたし、
上司のT先生も言っていましたが、
ソリューション・フォーカスト・アプローチ(解決志向アプローチ)は
こういうときにネガティブにならずにとても役に立ちます。


今後につながるプロジェクトもいくつか提案され、有益な時間でした。また新しい何かを生み出す力をもらいました。

2009年10月22日木曜日

家庭医療 海外論文へのアクセス

どうやって海外の最新のトピックに触れたらいいのか?
どうやって論文を読むモチベーションを維持するか?
どうやって自分に役立つトピックを見つけるのか?

そんな「How to~ ・・・?」がつながる問題をどうやって解決すればいいのか?


「自分で文献を調べる癖を付けなさい」「実践に役立つから」
「とりあえず雑誌に目を通してみて下さい」
そんな風にしか今まで言われたり言ったりしなかったこと。

それ以前に、言いも言われもしなかった事かもしれません。


日本以外の場所で、今家庭医療の中で何がトピックなのか、など
最新の情報に触れることの大切さは言うまでもありませんが、
そのインストラクションの方法としては何がいいのか?


自分にできることとして、まずは目次だけでも翻訳してみようかと
思っています。


目的に到達するためにはいくつかの障害があると思いますが、
まずは試行錯誤ですね。

2009年10月21日水曜日

人財としての意識

先日のこと。

ある上司から、
「○○さんは、これからどうするか言ってた?」
と聞かれました。


○○さんは、優秀な方。
ある理由で仕事を止められたそう(詳細は不明ですが)。
私はそのことを知っていましたが、

・これからどうするのか
・これからどこで働いていくのか
・自分たちの組織で一緒に働くことは可能か

などといった視点は、実は全くありませんでした。




「こういうこと、好きでしょ?」
「これから徐々にそういうことが気になってくるから。」

と言って声をかけてくれる上司のサポートを、とてもありがたく思いました。



重要な視点を思い出すことができたので、記録しておきます。

2009年10月20日火曜日

小児救急現場での指導

昨日は小児救急の手伝い。
月に1回、400床の総合病院の当直の手伝いに定期的に行っています。19時から22時までですが、小児科急性期の診療技術の維持に個人的に役立っています。


今のところ必ず一人研修医が付いてくれますので、
1)研修医が診察、私が後ろで見ていて、後でfeedback
2)私が診察、研修医が後ろで見ていて、後でdiscussion

1)、2)のどちらがいいか、来る患者さんのカルテと主訴をみて、
研修医に選んでもらっています。



昨日は結構込んでいて、2年目研修医と私が交互に見るような形になりました。

その研修医の課題は耳を見るのを忘れてしまうこと、耳を見るのが苦手ということ、患者さんが立て込んでくると慌ててしまうとの事を言われていました。

私の見た感じは非常に出来る先生だが、どうしても医師側の枠組みで解釈が進んでいる印象があるように感じました。
(救急の現場では、しょうがない部分があるのも理解できますが)


15人ほど診たと思いますが、印象に残った人を上げました。



(研修医が診た患者さんで印象に残っている人1人)
・3歳 1週間風邪症状続き、2日前から発熱

知識領域:中耳炎の自然経過 
技術領域:耳の見方



(私が診た患者さんで印象に残っている人4人)
・3ヶ月発熱38℃ RSV細気管支にて2週間前に入院歴

知識領域:work upについて
感想:この時期の発熱はこちらも緊張 髄液取るかの判断は22時過ぎで時間切れ 小児科の先生にお任せ



・1ヶ月全身蕁麻疹 市販ミルク初めて摂取後すぐ発症 8時間後受診 元気 

知識領域:蕁麻疹対応、アレルギー反応の種類
感想:1型アレルギーの2相性反応についての私の理解がいまいちだったかも
ttp://www.d4.dion.ne.jp/~ippo/anaphylaxis/133.html(頭にhを)



・3歳女児腹痛 日中小児科で浣腸も改善せず 間欠痛 診察時所見なし  
解釈モデル(母親):保育園の演劇で狼が出てきたからか 下の子が腸重積罹患歴あり、それではなさそう

知識領域:小児腹痛鑑別 
態度領域:解釈モデルの有用性
感想:こんな解釈モデルが出てくるとは思わなかった 本当にこれでいいのかどうかは議論の余地と、経過を追う必要がある



・1歳嘔吐下痢 2日前から 食べ飲みで全て嘔吐 機嫌悪い

知識領域:点滴の適応 水分の取らせ方 
技術領域:点滴キットの組み立て、準備、ラインのとり方など
感想:久しぶりに組み立てたので、自分自身も復習になりました

2009年10月19日月曜日

ロールプレイ 医療面接

先日、2週に渡ってロールプレイによる医療面接のトレーニングを行いました。

指導医であり、所長のM先生(以下M)と私の2人が模擬患者として、実践トレーニングの場を提供しました。
研修医は1週目3人+2週目に5人、計8人のトレーニングでした。

上級編という事で、感情面の対応や対応が難しい患者さんを題材にしています。


・怒る患者さん×4(M×3、私×1)
・不安な患者さん(M)
・しゃべらない患者さん(M)
・しゃべりすぎる+訴え・解釈モデルが不明な患者さん(私)
・複雑な解釈モデルを持つ患者さん(私)



医療面接の実践研修に、模擬患者として本格的に参加したのは初めてでしたが、参加することで患者役の感情変化、場の空気などをある程度詳細につかむ事が出来たと思います。
研修医に対するフィードバックも今までで一番よく出来たように(自己分析としては)思いました。

うちの所長の非常に得意な領域で、若干難易度の高い患者設定でした。
全員が見ている前でビデオで振り返りを行うという言い訳できないセッションの中で、私も知識・態度・技術の全領域の学習の手伝いに参加出来たのではないかと感じています。

2009年10月16日金曜日

ブログ開始

ブログを開始してみました。
自分の学習の記録、実践の記録、感情の記録として、細く長く続けていければと思っています。